いくら娘でも身体は
替わってあげられない
思いでだけが共有できる
祈りが残される
五月にはいって
娘が急に泊まりに来る
連絡が入り
浮かれていた
加藤くんが急に
夜勤になったのだ
上司が倒れて
救急車で搬送されたと娘が言う
その人の代役に加藤くんが
その日倒れた人は
朝から少し頭が重いと言いながら
早くから息子のために
コンビニに行き
仮面ライダーのお面を
必死に買い求めた
家の近くのコンビニで
帰ろうとして自動車
のドアの所で倒れた
助手席に仮面ライダー
のお面がいっぱい残っていた
病院に運ばれたが意識がなく
「脳死状態です」と
医師から告げられた
お母さんに息子さんは
「お父さんは ぼくのために…」
お父さん蘇って
仮面ライダーキックを
息子さんとしたいよね
「神さまお父さんを 回復させて
下さい! お願いします」